【嚥下には きざみミキサーちと古い】高齢者の介護食と嚥下のお話です!

嚥下

もくじ

嚥下には きざみミキサー ちと古い

きざみ種類の多さを自慢

「うちの施設の食事、食べやすいように“きざみ”の種類が沢山あって・・極きざみから大きざみまで…大きさをとっても工夫してるのっ!」

なんて自慢している管理栄養士が居たら、ちょっと引いてしまいます。

昔の「きざみ食やミキサー食」は単純に刻んだり、ミキサーにかけて「はい、お召し上がりください」というものでしたが、最近の管理栄養士の皆様は経口摂取を念頭に置き、見た目や形にこだわり、食材そのものの風味や噛みごたえを大切にした食事スタイルを日々研究されておられます。

管理栄養士

介護職員の認知度

学会分類2013のコードを指標として熱心な管理栄養士は日夜、食事形態の改善に頑張っておられることでしょう。 しかし、現場の認知度はまだ低いようで…

せっかく作ったソフト食のハンバーグを「つかえたら心配だから」 と皿の上で細かく箸で刻んで、ついでに付け合わせの野菜や果物を一緒にゴチャ混ぜにして

「はい、あ~ん」

とか言って食べさせている介護職員も見受けられます。

主食、副食、果物の区別は必要です。粉薬を「ふりかけ」と言わんばかりに、堂々とご飯にかけて 食べさせるのも止めてほしいものです。

※昔から施設では嚥下困難のご利用者に対しては「きざみ食」という考えが台頭してきました。しかし、嚥下や食事形態の研究が進むにつれて、「きざみ食」は適さない場面もあるのではないか…という認識が出てきました。

早く食べさせる職員が重宝される現場

新人の時に衝撃的だったこんな光景も慣れてくると、当たり前のようになってしまうのが非常に辛いところです。

食事介助
慣れてしまった…ご利用者のエプロン姿…というか、前掛け…



肉じゃがで見る食事形態の種類と特徴の一例

ご利用者の嚥下状態に応じて、食事の形態はいろいろな種類が用意されています。代表的なものを4種類、写真でご紹介いたします。

※施設によって名称や形態の違いがございますのでご了解ください。

常食 (嚥下調整食の常食)

食材と調理法を選択して「やわらかさ」「パサつき加減」「バラけ加減」などを考慮しています。素材自体が軟らかい高齢者向けの食事です。

常食 (嚥下調整食の常食)

きざみ (ひとくち大) 

常食をスプーンにのる大きさにし、常食よりも口に取り込みやすいスタイルです。口の中では押しつぶしやすさを考慮した食事です。

噛む力が弱い方向けで常食よりも素材自体が軟らかいので咀嚼しやすいと言えます。もしかすると、その分、歯ごたえが物足りないかもしれません。

きざみ(ひとくち大)

極きざみ(ゲル化剤を加えたもの)

フードカッター機を使用し、大きさは5㎜前後です。ゲル化剤を加えて、まとまりやすくした食事です。

従来「きざみ食」は噛む力、嚙み砕く力が弱い方に対して、広く一律的に提供されてきました。その「きざみ食」は常食を噛み切りやすく刻んだもので、噛み砕く必要がないということが利点です。でも、バラバラになると食べ難く、誤嚥に注意しなければなりません。

極きざみ

ペースト

フードカッター機またはミキサーにかけて、なめらかにした食事です。ゲル化剤を加え「べたつかず」「まとまりやすい」食事です。かたさはスプーンの背でつぶせる程度ですので舌で押しつぶしたり、飲み込むことができます。分離しない状態で歯ぐきや舌で押しつぶせる位の形態です。食材、メニューが分かるように見た目に工夫も必要です。

ペースト

以下参考

従来のミキサー食

噛めないけれど、飲み込むことができる方向けの食事です。水分やとろみを付けて飲み込みやすくしてあります。ミキサー食は水分を含んでいるためむせ込んだりしないように注意が必要です。見た目については工夫があった方がよいでしょう。

ピューレ食

飲み込む力がある方向けの食事です。水分は少なめでミキサーと違い粒がなく、なめらかです。まとまりやすいので噛まなくても飲み込みやすいです。

ムース食・ゼリー食

嚥下の状態に重度の障害がある方向けの食事です。粒がなく既に塊となっている形態です。ゼリーやプリン、ムースなど。



嚥下という言葉はわかるけど…

よくあるイラストを動画で見てみる

下記のイラストを見て嚥下の仕組みを勉強された方も多いと思います。でも、実際の動きをご覧になったことはあるでしょうか?嚥下造影検査(VF)の映像がございますのでご覧ください。

実際の嚥下造影検査(VF)の映像を見てみる


「嚥下造影検査」は造影剤が入っている食事を摂取してもらいX線で透視化して、嚥下運動の状態を把握したり、どのような食べ物が適しているのかを考えるための検査です。

寒天状の嚥下

寒天は砕かれて入っていきますが、食道の入口辺りで一旦、溜まってしまいました。

ゼラチン状の嚥下

ゼラチンは食道の入口まで来ると、ストンという感じで下がっていきます。

【動画を見比べると】
「ゼラチン」の方が「寒天」より嚥下には適してる物性といえます。寒天は口腔内でバラバラになってむしろ危険だったりします。嚥下しても梨状窩(食道の入り口にある凹み) のとこで溜まってムセたり誤嚥のリスクに繋がります。

ちなみに高齢者に適しているゼリーは溶液に対して1.6%のゼラチンで作ります

施設の中には「嚥下食=キザミ食」と安易に認識し提供しているところもあるでしょうね

どうして、「縁結びの神社」で? と思われるかもそれませんがマンガのタイトルがそうなので…スミマセン



違うバージョンの介護マンガです!

管理栄養士
管理栄養士

皆様から頂いたコメント

スムージーって言うとオシャレですよね

あはは~!

今回も笑わせてもらいました!
確かに…。
ミキサーもスムージーも同じなのに、スムージーって言うとオシャレですよね。
お年寄りにはピンとこないですよね。

最初、ミキサー食を見た時の驚き。
なんじゃこりゃ?
なにがなにかわからなかった。

パンがゆってありますよね?
器のふたを開けたら、
刻んだパンだけ入ってたことがあって
厨房さんに伝えて取り替えてもらいました。
めちゃくちゃ笑いました~。

Cさん、おんなじですね。

ミキサーもパンがゆも私は衝撃でした。

パンがゆも「ミルクブレッド」とかって呼べばいいんですかね…

値段を考えると

ある程度大規模で、厨房の人手があるような施設なら、実現しそうな感じですけどね…

30人分ぐらいの給食を約2時間のタイムリミットで調理員2人で施設内調理(しかも三種類の選択メニューだったり)…という規模や、ご飯炊いて、お粥も炊いて、味噌汁作って、仕出し弁当の中味を量調節しながら加工して、食器をセッティングして盛り付けて…を1時間半のタイムリミットで介護職が1人で…などという規模だと、正直なところ、刻み(一口大、刻み、極刻み)とペーストの加工で精一杯なのが実状で…

仮に、ムース食が実現したところで、貧乏デイサービスには焦げ目付け用のバーナーさえ買えないし…


試しにGHで1ヶ月とってみた、タ〇〇イさんの福祉メニューのカツ丼(検食当番でたまたま回ってきて食べた)は、見た目は普通のカツ丼で、スッとほぐれる豚カツがかなり感動的だったけど(おそらく、再形成肉とかいうやつ)、やっぱり、お値段を考えるとねぇ…(結局、そこ)

ミキサーとスムージー

意味も物も解らん

意味も解らん。物も解らん。

スムージーは、響がいいね。横文字は苦手じゃ。
流動食とは、違うんじゃろ。
何食べてるかは分かりにくそうじゃ。

スムージーは「凍らせた野菜や果物をミキサーにかけた飲み物」なんですよ。

実は私もよく分からなかったのです!

そして、私もローソンで売っているパックのヤツしか飲んだことがありません。

ですから、秋刀魚を凍らせてミキサーにかけてもそれはミキサー食なんですね…(;´Д`)ノ

説明を付けて欲しいかな?

動画を見ましたが…

説明を付けて欲しいかな?

寒天状の物の方が飲み込みにくそうかなぁ?とは思いましたが。

そうですよね!
ありがとうございます。

只今、書き加えましたよっ!

ご指摘といいますか、本当に嬉しいです。
コメントありがとうございます。

※現在、ご覧になられているこのページが説明をつけたものでございます。

批判コメントも歓迎いたします!

時々、この介護歌留多ってヤツ、仕事なめてるのか・・・・って思いたくなるのわオレだけか?

IYさん、ありがとうございます。
大丈夫ですよ…あなただけではございません(*’▽’)

頑張ってください!

この作者、やっぱり舐めてるな アツアツのラーメンなんか食わせて、ちょっとでも唇が火傷したら事故報告書書かされてbbaヘルパー辺りからボロカス罵られるって知ってるか?

やはり、施設で大きく違いがあるようですね。私の所ではラーメンがメニューで出てきますし、毎年、ラーメン店のボランティアの方々がお見えになられ熱々を提供してくださいます。
今まで、ヤケドなんかはございませんでしたが、それなりのことを提供するには、やはりスタッフの配慮が必要ですね。

とても、喜ばれます!
頑張ってくださいね!








上部へスクロール