もくじ
無理だって そんなに上がるか 稼働率
無理だって無理!
必要とされているからこその介護保険事業所ですが、沢山の事業者が参入したことで、競争が激しくなり客取り合戦の様相を呈している地域もございます。
特に新規立ち上げの事業者は稼働率向上と新規利用者の獲得にウエイトを置き、相談員は営業一筋になってしいます。そして、ニーズそっちのけで目先だけのサービスをアピールして、なんとか利用まで繋げるのですが、「行ってみたら話が違う」などと利用者から指摘をうけ、担当ケアマにネに責められ、利用中止になり、上司から叱られてしまいます。
こういうことをやりたくて、この世界に入った訳ではないという相談員も多く、自己嫌悪に陥り去っていく者も少なくありません。
不正請求あるある
デイサービスに限らず稼働率が思わしくないと、収入が少ないので、残念ですが介護報酬をごまかすような事業所が出てきます。
【通所不正あるある】
定員を超えてサービスを提供したが、その超過利用分を別の日に利用したように記録を虚偽作成し、その記録に基づき介護報酬を請求した。
【人員不正あるある】
指定を受けるため、勤務実態のないケアマネジャーを配置した虚偽の書類を作成・提出したうえ、介護保険法に基づく必要な人員を配置しないまま、介護給付費を不正に受給していた。
【訪問不正あるある】
勤務実態のない有資格者の名義を使い、未実施のサービスを行ったかのように記録を偽り、介護報酬を受給した。
【貸与不正あるある】
保険サービス事業所として県指定を受けないまま福祉用具を貸与をし、その分の介護報酬を関連の指定事業所の名前で不正に請求していた。
【ゴム印不正あるある】
無資格者らが有資格者の名のゴム印などを使って記録の書き換えを続け記録を作成していた。
言葉だけの「おもてなし」
短期入所の稼働率を上げるため、まだ退所者の部屋が空いていないのに新規の入所者を迎え入れ、公共スペースで待たせておく都合の良い「おもてなし」も容認されています。
※今まで入所されていた方が、午後2時に退所して、その後、同じベッドに新入所した方が午後3時に入所になります。これなら良いのですが…
実際は午後2時の退所なのに同じベッドを利用する方を午前10時に受け入れてしまうので、ホール等の公共スペースで待機していただかなければなりません。効率的な利用とはいえ介護現場の職員はこういう状況にかなり苦慮しているのです。
稼働率アップの苦労を管理者は知らない
一方では、この状況を知ってか知らぬか…外部発信だけ素晴らしいことを語る管理者は「ホテル並のケア」とか「優しい気持ち」を高々とうたいあげます。現場を見ていないので“ほんわかポエム”で良い格好できます。そして、その振る舞いは外部の人達からはとても崇めたてられ、講演などに呼ばれて話をするのですが、良い恰好をして話せば話した分、身内の介護現場とのギャップが激しくなります。
祀り上げられた管理者は、いつのまにか評論家みたいになります。聞こえの良いことを言いますので、必死にその理想を身内の部下に押し付けますが、「口先だけの管理者」と軽蔑している部下は全く尊敬の気持ちを持っておりません。
こんな状況ですので管理者は部下を厳しく指導し、「飲みにケーション(もう死語か?)」で交流を持とうとします。これが「パワーハラスメント」の始まりです。