平成十二年度、介護保険制度が始まるのを機に、多くのパソコンが介護業界に導入されました。当然、介護報酬の請求業務にはパソコンが欠かせません。
しかし、このどさくさに紛れて介護業界には必要ない余計なパソコン機器やソフトが多く導入されてしまい介護現場は大混乱しました。
何しろ、当時はパソコンの知識など全く持ち合わせていなかったのですから…
ちょっとパソコンに長けている新米若手職員が簡単に右クリックとかするのでパソコン無知の先輩たちは冷静さを失ってしまいした。
「紙に鉛筆やボールペンで書く方がよっぽど簡単だし効率がいいよ」
という思いとは逆に最新鋭のケアプラン作成ソフトや電子カルテ、認定調査表を取り込むスキャナー、小さくて見難く、すぐに破損してしまう携帯端末など・・
結局、現場をまったく知らない管理者とパソコン業者が有無を言わさず機器やソフトを導入するものだから現場はさらに大混乱。
職員は介護技術やケアマネジメントの能力より、パソコン知識に長けているかどうかで、その質が問われるようになりました。
バタバタの中、リスク管理もできていないので、持ち込んだ職員個人のファイルからウイルス感染して、データがみんな消えたなんてこともあるのでみなさんも気をつけましょう。
「実地指導があるから莫大なカルテのデータを印刷しなきゃ」
という本末転倒なこともあります。